障害者か健常者かは生産性に関係ない。経営の神様とパン屋さんの話

仕事
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今堀江貴文氏の障害者差別だといわれている発言に関連して、ぼくの好きな経営者の一人であるヤマト運輸元社長小倉昌男氏のパン屋についてお話ししたいと思います。

堀江氏の発言そのものについては、詳しく取り扱いませんが、発達障害とうつ病の研究者の方が書いた以下の記事が、この一連の発言を冷静にみていると感じられます。

ここで堀江氏は「障害のあるなしと仕事のパフォーマンスはあんまり相関性ないよ」と発言しています。
「ホリエモンは障害者差別をしている」という認識を持ってこの発言を読むと、「下手な言い訳をしている」と解釈することができる。
しかし、この記事で最初から順を追って読んでみると、整合性は取れている発言のように見える。

yasuyukiarakawa.hatenablog.com

堀江氏が障害者差別発言をしているかどうかは、上記の記事を参考に各自考えていただくことにします。

ぼくがお話ししたいのは、小倉氏のパン屋さんについてです。

実はクロネコヤマトは子会社として「スワンベーカリー」というパン屋さんも営業しているのです*1

スワンベーカリーの「運営目的の主旨は障害者の雇用と自立支援(従業員の過半数は軽度の障害がある)」*2で、障害者を支援するという目的も持って運営されています。

このスワンベーカリーを立ち上げた小倉昌男氏は、障害者は生産性が低いとは考えていません。本当の意味で差別を乗り越えていた人だといえます。

このスワンベーカリーと小倉昌男氏についてご紹介していきます。

誰でも同じように自立し、社会参画することができる

小倉氏は障害者の給与が平均一万にも満たないことと、そういった現状が「仕方ない」と思われていることを知り、衝撃を受けたそうです。

福祉に関わっている人ですら「障害者は生産性が低い」という固定観念を持っており、それ故に給料が低くても仕方がないと考えていたと思われます。

福祉に長年携わっている人は「カネもうけは汚いこと」と思い込んでいることが多い。「福祉的就労」という言葉もあり、低賃金を正当化したい気持ちが込められているが、これはおかしい。障害者も健常者と同様、自分で稼いだカネで自活し、趣味や買い物を楽しむ。それが「自立」であり、「社会参画」ではないか。

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ですが、小倉昌男氏はそうした考えもおかしいと表現しています。
障害者も健常者もまったく同じように生きていくことこそが、本当の意味で差別がないことだと考えているように思えます。

また、そもそも「障害者は生産性が低い」という固定観念自体も間違っていると、指摘しています。

障害者は働く能力が低い、というのも固定観念だ。例えば、ヤマト運輸で営業所のコード番号を一番正確に記憶しているのは自閉症の社員である。人間は誰でも得手不得手がある。長所を生かし合い、短所を補い合っていくという点では、企業も福祉施設も違いはない。

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この考え方でいえば、長所短所は誰にでもあるのに、障害者だけが特別に生産性が悪いと考えられてしまっているという現状があるといえます。

詳しくは省きますが、小倉氏は「スワンベーカリー」を採算の取れる、立派な一企業として育て上げ、以前よりもずっと高い給与を障害者の方に支払うことができるようになりました*3

社員の多くが障害者であろうがなかろうが、採算の取れる企業は存在する。
つまり障害者でも健常者でも同じように社会参画できることを「スワンベーカリー」は証明しているのです。

理想論のようにも思えますが、「スワンベーカリー」が存在している以上、実現不可能であるということないでしょう。

固定観念の怖さ

先ほど「障害者は働く能力が低い、というのも固定観念だ」という一文を引用しました。
小倉昌男氏の考え方からすれば、この考え方も事実とは異なることであるといえます。

障害者の方も十分に働くことができるのに、働く能力が低いという間違った固定観念にとらわれて、給料が低くても仕方がないと思っているのですから。

堀江氏の発言を批判していた方の発言も、先ほどの固定観念にとらわれているといえます。

賛否両論あるでしょうが、「健常者も障害者も同じように働くことができる」ということが事実であれば、上記の堀江さんに対して発言した人は間違った認識を持っていることになります。

決してその発言者は差別意識を持っているわけではありませんし、責められるべきではありません。

ですが、仮に堀江氏が障害者差別発言をしていないとしたら、その反論した人の固定観念こそがその騒動を引き起こしたとみることもできてしまうのです。

ここに固定観念の怖さがあるのではないでしょうか?

また、堀江氏はこんな発言をしています。

堀江氏の「したいならやり方を考えよう」をまさに体現したのが「スワンベーカリー」といえるのかもしれません。

理想と現実

以上のような考え方が、現実的かどうかという問題はたくさんあります。 こんなことはきれいごとで、都合のいい話だと考える人もいるでしょう。

Wikipediaによると、スワンベーカリーは従業員の過半数は軽度の障害があるということですので、その障害の程度も考えなければいけないのでしょう。

平等というのは本当に難しいものだと思います。

ですが、「スワンベーカリー」のように、どんな人も同じように社会に関わっていくことができるという社会が理想的であることは間違いないのではないでしょうか。「スワンベーカリー」は、そんな理想的な社会の可能性を示しているといえます。

最後にこんな記事を紹介しておきます。

その男の子は、すべての人がこうやってケイデンに接してほしいと私が思っていた、理想的な接し方だったんです

難病の息子と「普通に」接した見知らぬ男の子へ母親がメッセージ「素敵な気遣いをありがとう」

*1:正確にはヤマトの特例子会社「株式会社スワン」が営業しているパン屋さんが「スワンベーカリー」

*2:Wikipediaより引用

*3:もっとも名経営者の指導を受けられるなど特殊な環境ではあるでしょうから、このあたりは議論の余地があるでしょう

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