ミニマリストは狩猟採集社会への回帰なのかもしれない

生活
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ミニマリストにという動きは、かつての狩猟採集社会の文化への回帰でないか。

最近ミニマリストが流行っている。ぼくもそこまで極端ではないものの、「モノを持つことが豊かさではない」という主張には大いに共感している。

今回はミニマリストというライフスタイルの誕生は、狩猟採集社会への回帰であるということについて説明したい。

かつての狩猟採集社会の文化の再現がミニマリストであるというようにいうこともできるだろう。

ミニマリストと狩猟採集社会

ミニマリストは最小限のモノしか持たないというライフスタイルの人といわれている。狩猟採集は野生の動物の狩猟や植物の採集を生活の基盤とするライフスタイルである。

全く違うように思える二つだが、いくつかの共通点をあげることができる。それらを指摘していくことで両者が似通った存在であることを証明し、ミニマリストは狩猟採集社会への回帰であることを説明したい。

ミニマリストと狩猟採集時代の共通点

必要なモノだけを持つ

ミニマリストは必要な物だけを持つ。同じように狩猟採集社会の人々も必要な物しか持たなかった。

ぼくたちに、もうモノは必要ない。』でも、石器と土器は「必要」な物だったと述べ、狩猟採集社会の人々は必要な物しか持っていなかったという考えを持っていることがわかる。これは狩猟採集社会とミニマリストが関連していることを示している。

定住しない(移住を好む)・移動できる程度の物しか持たない

究極のミニマリストは家すら持たないという。

堀江貴文氏は公言していないものの、周囲からはミニマリストと呼ばれている。そんな堀江氏はFuminnersのインタビューで以下のように答えています。

僕は、2年くらい前からホテル住まいをしています。(中略)余計なものを削ることを考えたとき、『もう家もいらないかなあ』と思ったので、手放しました。そもそも、人間が定住をしたのは農耕生活を始めたからで、多くの現代人にとってそれは必要ないことなんです(太字はこちらで追加)

堀江貴文さん】「ムダな時間を徹底的に削り、毎日6時間寝る」 ホリエモン流睡眠術 | 眠りの黄金法則 | Fuminnersより

狩猟採集文化は定住をしていなかった、だから人は定住をする必要はない。まさに狩猟採集社会への回帰を示しているといえる。

さらにこの発言の根底には、農耕社会の文化は人によっては合わないということや、狩猟採集社会の文化は今の私たちに適しているという考えがあるといえるでしょう。

『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』でも物を捨てることで、気軽に引っ越すことができるという”メリット”が生まれると述べている。

ぼくはモノを捨てて、思い立ったらいつでも気軽に引っ越せる自由を手に入れたのだ。

物を最小限に抑えることで自由に移動できるというライフスタイルは、獲物を求めて移動を繰り返していた狩猟採集社会の文化と一致するといえる。

必要な分だけ食べるから痩せている

ミニマリストは痩せている

ぼくたちに、もうモノは必要ない。』では、ミニマリストの特徴として痩せていることがあげられるという。

何人ものミニマリストに会ってきたが、太っている人はいなかった。(中略)今までの片付け本や、モノを捨てるための本にも、モノを減らした副次的な効果として「痩せる」ということが言われてきた。

ミニマリストは必要なだけしか食べないから痩せている

では、なぜミニマリストは痩せているのか。これも『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』から引用する。

モノを最小限にすると、自分の「欲望」の認識力が高まる。どこまでが『必要』なモノで、どこからが「欲しい」モノなのかはっきりと判別できるようになる。これはモノだけではなく「食欲」も同様で、必要な食事の量がはっきりと意識できるから、必要以上に食べないのだ。

つまり人は必要以上に食べること太ってしまうが、ミニマリストは必要な分しか食べないために痩せているということだ。

狩猟採集社会は必要な分以上に食べることはありえない

狩猟採集社会では、現代と違い食料が安定的に供給されない。だからこそ土器などで食料を保存していたのだ。

明日も食事が入手できるかわからないのだから、狩猟採集社会の人々が必要以上に食べることはありえない

以上のことから、ミニマリストと同じように、狩猟採集社会の人々のほとんどは痩せていたと考えられる。

狩猟採集社会は食料が限られているために必要以上に食べることができない環境である。そんな環境で太ってしまう可能性は低いだろう。

また、狩猟採集社会の頃の食事を再現するダイエット法「糖質制限」もこの主張を補強するものといえる。

糖質制限をすることで痩せると一般的に信じられているということは、狩猟採集社会の人々は痩せていたということになる。

狩猟採集社会は人々にとって好ましいものである

大前提として、狩猟採集社会は人にとって好ましいものである必要がある。これについても少しだけ触れておく。

人類が誕生したのは諸説あるが、500万年ほど前と考えられており、人類が農耕生活を始めたのは8000年ほど前だといわれている。

長い人類の歴史において、農耕生活をしていた期間はほんの僅かでしかないのだ。人間にはいまだに狩猟採集社会の頃の文化や本能が残っているといえる。

だから人は狩猟採集社会の文化に戻ることを求めていると考えられるのだ。

もっとも全員にこの傾向があるとはいえず、一部の人は農耕社会に馴染んでいると推測している。

まとめ

ミニマリストと狩猟採集社会の人々には以下の共通点がある。

  • 必要なモノだけを持つ
  • 定住しない(移住を好む)
  • 簡単に移動できる程度のモノしか持たない
  • 必要な分だけ食べるから痩せている

このようにミニマリストと狩猟採集社会の文化には共通点があり、ミニマリストは狩猟採集社会への回帰であるという話をした。

決して、ミニマリストは獣でも狩ってろという話ではない。

ミニマリストという考え方を理解することのできない人は、物に対しては農耕社会型の考えを持っているといえる。ミニマリストが劣っているというわけではなく、単純にそれぞれの根底にある価値観が異なっているというだけである。

これからミニマリストになりたいと思っている方、ミニマリストを発展させていきたいと思っている方のヒントになるだろう。

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