考えても会社を辞めるメリットは生まれない。最後は感覚で辞めるべき

生活
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つい最近、ぼくは大きな組織を辞めました。

社会人の方からすればなんてことない組織ですが、それでもぼくは二年以上悩み続けていたと思います。

 
「なにかを辞める」ということは、「なにかを始める」ことよりもずっと勇気がいるものです。

ですが、辞めることによるメリットを考え続けてたって意味がありません。

どんなに考えたって、会社に居続けるメリットのほうがたくさんあるからです

それをわかったように「会社にいられるだけで十分だ」「つらいけど続けることが大切だ」などと偉そうに言っても意味がありません。そんなこと誰でもわかっています

 
不思議なことに、どんなに会社に属していること幸せか思い浮かべても、辞めたいという気持ちは消えないのものです

メリットがないとわかっているにも関わらず、あなたが会社を辞めたいと思い続けている。

だったら理屈で考えるのではなく、最後は気持ちや感覚で決断するしかないのです。

今回は日垣隆さんの『すぐに稼げる文章術 (幻冬舎新書)』の「会社を辞めたきっかけ」を引用しつつ、組織を辞めることについて考えてみたいと思います。

 
この記事はなにかを辞めたいと思っている人を対象に書いています。

便宜上、会社という言葉を使ってはいますが、「部活」「大学」「サークル」自由に置き換えて読んでいただけたらと思います。

会社を辞めるメリット考えたら、会社にいた方がトクだとわかった

会社を辞めるメリット

当時小さな出版社に勤めていた日垣さんは、たまたまお話しすることになった画商さんに相談を持ちかけます。

「私は東京の出版社に転職をしようか、あるいは独立してやっていこうか迷っています。できれば独立したいとは思いますが、どうすればあなたのようにお金の苦労をせずに、羽振り良くやっていけるのですか?」(中略)
「まず、この会社を辞めなきゃね」*1

 
「まず会社を辞める」という考えを日垣さんは考えてもいませんでした。私たちもいきなり会社を辞めるなんてしませんよね。

ですが、画商さんは以下のようにいったそうです。

「まず会社を辞めないと、次のことなんか考えられねえだろ」*2

この言葉を聞いた日垣さんは、会社を辞めるメリットについて考えてみました。

 

私は会社を辞めるメリットについて考えながら、ノートに20項目ほどメモを書き出していきました。すると、毎朝定時に起きなくて良いということ以外は、会社にいた方がよほどトクだということになってしまった。(太字はこちらで追加)*3

なんと身も蓋もないですが、会社を辞めるメリットなんて、早起きしなくていいくらいだということがわかってしまったというのです笑

このように理屈で考えても、会社を辞めることにメリットなんてほとんどないんですね。

それでも会社を辞める意味

辞めなきゃ本当の意味で考えることはできない

「会社を辞めたら人間。いろいろ考えるものだよ」という。*4
実際に会社を辞めてみると本当に時間が膨大にありますので、実際にいろいろなことを考えるようになりました。

辞めたいことを辞めずに考えていても、ちょっと夢を思い浮かべているようなものです。

辞めなかったら先のことを本気で考えることはできません。

なぜなら先のことを考えるとリスクがたくさん思い浮かび、今がとても恵まれているように感じるからです。

 
でも、恵まれた自分を思い浮かべても、まだあなたは会社を辞めたいと思っているでしょう。とても恵まれているはずなのに。

なにかを辞めるときは理屈ではなく、「あ」という感覚で辞める

1つジャンプをするには、まず会社を辞めなければいけないのだなと、私はわりと単純に納得しました。*5

それでも自分を変えたいと思うのなら、なにかを辞めなければいけないんです。

しかし、理屈で考えても、絶対に思いとどまってしまいます。

 
ぼくが組織を辞めると決めたときも、理屈で決めたのではありません、直感的に「あ、やめるべきだ」と思ったから辞めたのです。

今までたくさんの情熱と時間を注いできた組織を途中で辞めることにメリットはありません。

でも、もし自分が変わることができたら、もっと大きなメリットが得られるような気がする。その程度の感覚で決めたのです。

 
ですから、もし会社に居続けるメリットを考えるくらいなら、会社を辞めて成功したときの姿を思い浮かべるべきです。

そうしたら明るい展望が見えてきます。

失敗するリスクは当然ある

そんな感覚的なものじゃ、失敗するかもしれないだろと思うでしょう。

その通り、失敗する可能性は十分にあります。

でも、部活を辞めたり、大学を辞めたり、仕事を辞めたり。その決断をした人は生き生きとしています。

そしてなにかを辞めた後に成功を収めた人を、あなたは何人か知っているはずです。

 

失業者になってしまい、私は途方に暮れました。*6

日垣さんはそのあと大手出版社の入社試験を受けますが、最終試験で落ち、失業者になってしまいます。

ですが、今ではこんな素晴らしい本を書いているのです。

 
大丈夫。文字通り「食えなくなる」なんてことは滅多にありません。

2011年の日本で食糧不足でなくなられた方は45人。全体の0.00004%です。

さいごに

「いや、つまり会社を辞めることで成長できるなら、メリットはあるじゃん」というツッコミされそうな気もします。

その通りでメリットはちゃんとあります。

ただ、辞めた後に上手くいくかわからないという不安があるから、それをメリットとしてとらえられないのです。

 
ぼくが一番言いたいことは、なにかを辞めるときは理屈ではなく感覚であるということ。

理屈だけだったらやっぱり現状維持のほうがいいでしょう。

それでも、どうしても引っかかるものがあるのなら、ひょいと思い切って辞めてしまうことです。

ぼくは今のところ後悔したことはありません。

時折聞こえてくる非難の声も軽く受け流せるほど、充実した生活を送っているのです。

 

なお、日垣さんの本はわりと攻撃的なので、イケダハヤトさんが嫌いなかたは読まない方がいいと思います笑
好きならきっとお気に入りの本になるはずです。

*1:日垣隆(2006)『すぐに稼げる文章術』幻冬舎 p.156

*2:日垣(2006)同上書 p.157

*3:日垣(2006)同上書 p.157

*4:日垣(2006)同上書 p.157

*5:日垣(2006)同上書 p.157

*6:日垣(2006)同上書 p.156

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