貧乏神からのお願いじゃ。ユニークすぎる就活メールが会社から届いた件

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ぼくは就活を終えているのですが、メールの整理・サービス停止の作業中にとても面白い就活メールが届いたのでご紹介。

件名は「貧乏神からのお願いじゃ」。

「長く働き続けられる企業!うんたらかんたら」「東証一部上場企業グループ会社です!うんたらかんたら」「貧乏神からのお願いじゃ」「充実した福利厚生!うんたらかんたら」と紛れ込んでいました。

明らかに異質です。スラーっと件名を見ていただけなのに、すぐ目に飛び込み、おそらく初めて就活メールを最後までしっかり読みました笑

おそらく引用しても大丈夫だと思うのですが……不味かったら誰か教えてください(引用文は改行・太字のみ編集しています)。

ユニークすぎる就活メール

貧乏神という主人公

ワシは、『ホーク』という会社に棲んでいる『貧乏神』じゃ。
約30年ほど前からこの会社に棲んでいるのじゃが、最近非常に困ったことになったので、このメールというものを少し拝借して、皆にお願いに上がった次第じゃ。
少し話を聞いてくれんかのぉ・・・

メールは『ホーク』という会社に「棲んでいる」貧乏神のお願いという形で進んでいきます。

貧乏神がいる会社なんてヤバイだろと思うのですが、この貧乏神というチョイスが実に絶妙。読み進めているうちに感心。

貧乏神が取り付いた理由+さり気なく会社の紹介と苦労話

この会社はのぉ、約30年前に建設業としては当時ほとんど誰も見向きもしない、高速道路や大型コンクリート建造物の、補修や耐震補強工事の専門会社として創業されてたんじゃ。
当時日本はバブル期真っ只中だったじゃろ、建設業界自体はかなりの好景気に沸いていたのじゃが、それは『新しく造る方』の話で、古くなったものを補修したり、耐震補強工事なんて誰も見向きもしなかったものじゃった。
そこでワシが、こんな儲かりそうのない会社に目を付けて、棲むことにしたのじゃ

なんで貧乏神がいるのかという理由が明かされます。しかし、業績が良くなかったことを知らせてよいのでしょうか……と最初は思ってしまいます。

良い意味で非効率な人を育てる文化、良くなる業績

募集職種は『工事総合マネジメント職』と言うて、俗に言う、『施工管理』とか『現場監督』というものだそうじゃ。
まぁ『エンジニア系』ってやつかのぅ。。。
にもかかわらず、新卒採用の条件は『文理不問・女性も大歓迎!』として、6年間もかけて人を育てるという非効率な制度に取組んでおる。(しかも直近5年文系採用率70%以上じゃと。もちろん理系もおるがの。)
人を大切にして、じっくり育てるという方針だそうじゃが、それじゃあちっとも儲けが出ないし、会社が大きくならんと思わんか?
まぁ、そのおかげでワシはここにまだおれるのじゃが、最近会社の若いものがどんどん成長してきて、日ましに業績が良くなってきておるのも事実なんじゃ。。。

一見すると非効率的にも見える、人の暖かさを感じる「育てる文化」を紹介し、さらに業績が良くなってきていると説明します。

どうやら貧乏神は、業績が良くなると会社にいれなくなるため困っているようです。ここが非常に面白い。

「会社説明会には出席しないで!!」

そして貧乏神はとあるお願いをします。

で、ワシからのお願いというのは、その『会社説明会』には出席しないで欲しいということなんじゃ。
本当なら、出席しても入社しなければ問題ないのじゃが、この会社の人間どもは残念ながらお人よしで良い奴ばかりでの
きっと会ってしまうと、入社したくなると思うからのぉ

そう、貧乏神からのお願いというのは会社説明会に来ないで欲しいというものです。貧乏神という主人公にしたのはこういう理由だったんですね。

ちょっとわざとらしく感じてしまうかもしれませんが、ここまで読んできた人なら、人間味溢れる貧乏神に愛着を覚える人もいるはず。

ツンデレな貧乏神

きっと会ってしまうと、入社したくなると思うからのぉ。
かくゆうワシもここの連中共が・・・
ワー危ない、何を言わせるんじゃ。。。ワシは貧乏神じゃぞ。人から嫌われてナンボのワシが、人間なんぞにブツブツブツ・・・

あ!また『福の神』がやってきよったわ、早く追い払わねば! という訳でワシは忙しいんで、例の件はよろしく頼んだぞ!
間違って来ないように詳しい情報を載せておくぞ!
くれぐれも来てはならんぞ!

会社に儲かってほしくないと思いつつも、どうしても会社の人たちのことを嫌いになれない貧乏神。

貧乏神に対する愛着もそうですし、会社に対して妙に「下町ロケット」的な暖かさや親近感を得てしまいます。

最後に説明会の情報をキッチリ載せる当たりはお約束です。ここまで読んだ人はむしろニヤッっとしてしまうでしょう。

GOサインを出した会社がすごい

ぼくが何よりすごいと思ったのは、このメール配信を許可した会社の人や風土です。普通の会社でこうしたメール配信を提案しても却下されるのではないでしょうか(効果があるのかもわかりませんが)。

 
ぼくもオーケストラのサークルで「今こそサム1(佐村河内守の交響曲第一番『HIROSHIMA』)をやれば、絶対満席になる!」と主張しましたが即却下されました。

組織というのはそういうものです(却下の判断は正しいと思います)。

 
社員の方が書いたのか、外部の方が書いたのかわかりませんが、よくこんな面白い文章を書いて、よくメール配信を実現させたなぁと思わずにはいられません。メールを配信するまでには様々な事情ややり取りがあったのでしょうから。

ぜひ、貧乏神のTwitterとかもやってほしいですね

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