機械翻訳の精度は間違いなく上がり続け、翻訳家は自分らしさが求められる

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ぼくは、世間がいうほど英語ができるかできないかは重要じゃないと思っていますが、その根拠の1つが機械翻訳です。

機械翻訳は今でもそれなりに制度が上がってきていますが、それでもまだ実用に耐えうると感じている人は少ないのではないでしょうか。

しかし、機械翻訳は間違いなく精度を上げ続け、間違いなく翻訳という仕事や英語の重要度に影響を与えます

ホリエモン「機械翻訳でほぼ満足」――人間の「間違い」のデータベースが翻訳家を駆逐する?|U-NOTE [ユーノート]

堀江貴文さんも機械翻訳について言及していて、素晴らしいことをズバズバと言っていますね。

翻訳の精度はパターンの積み重ね

翻訳の精度がこれから向上するか話し合うときに、日本の文法は独特だから翻訳は難しいという人がいますが、それはあまり問題ではありません。

機械翻訳の精度は、文法の解析や単語の翻訳ではなく、パターンの積み重ねによって向上していくからです。

私たちが機械翻訳を利用するとき、「もしかして」とか「間違っていませんか?」といった質問を目にすることがあると思うのですが、あれはパターンを収集しています。

言葉は同じ意味でも言い回しが違ったりと非常に複雑ですが、それらすべてのパターンを地道に積み重ねていって翻訳の精度を上げていくことができるのです。

少し前までは、技術的に膨大なパターンを集めることは困難でしたが、今の技術ではそれほど難しくはありません。

そのため、パターンの蓄積には時間がかかるかもしれませんが、それでもいつか信じられないほどの翻訳精度を実現することは間違いないといえるのです。

ぼくがパターンの積み重ねと表現しているものを、堀江さんは「間違いのデータベース」といい、やはり機械翻訳の精度が上がると述べています。

データベースの発達によって、機械が英語のスペルミスを見つけることだって可能になってきている。今後機械翻訳の精度はますます高くなるため、ホリエモンは「よほどレベルが高い翻訳家にならないとキツイよね」と予想した。

音声認識は信じられないほど向上した

機械翻訳について考えるとき、一緒に注目するべきなのは音声認識です。

海外の人と電話をする際、ほぼ同時で音声を認識し、それを各言語に翻訳するようになれば、通訳も必要ではなくなります。

音声認識こそ、実用レベルにまで精度が上がるなんて昔は誰も想像していませんでした。しかしiPhoneのSiriを音声認識精度は目を見張るほど高く、人間のユーモアにも答えるほどです。

音声認識も人の声のパターンを集め、それを利用することで精度を上げています。

以下の記事はGoogle Nowのものですが、やはり音声のパターンを分析することによって精度が向上することがわかるでしょう。

Google検索の音声認識がSiriよりすごい(気がする)理由:海外速報部ログ:オルタナティブ・ブログ

それは、Google検索の音声検索にユーザーが入力する音声データと、YouTubeなどのGoogleのサービスにアップロードされる動画の音声データです。これらのデータが匿名化されて、膨大なデータとして蓄積され、分析されているのです。

Siriの柔軟な対応もパターンによるものでしょう。「こう言われたら、こう言う」という対応が大量に貯められているのです。

翻訳家の価値が大きく変わる

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仮に技術の向上にいつか限界がくるとしても、パターンの積み重ねが止まることはありません。ですから翻訳精度は向上するということができます。

完璧とはいえないにしても、使用する分にはほとんど不便しないというレベルにはなるはずです。

となると、「普通の翻訳」レベルでの翻訳家の需要は失われていくでしょうし、堀江さんがいうように「人間による翻訳のニーズはもちろん残るけど、世界的なクラウドソーシングで単価が下がり、美味しい商売じゃなくなることは間違いない
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より" class="broken_link" rel="nofollow">*1」といえるでしょう。

しかし、簡単な翻訳の需要が失われる一方で、翻訳家はよりクリエイティブな仕事としてその価値を増し、より翻訳家個人が注目されるのではないかとぼくは考えています。

なぜならば、機械翻訳には絶対に翻訳できない言葉の領域があるからです。

代表的なものとして、小説の翻訳があげられます。物語の文章を「正しく」翻訳するだけではある意味正しいとはいえません。

例えば、日本においては「i Love you」が「気をつけてね」とか「あなたのためなら、死ねる」などと翻訳されることがあります。日本では「愛している」とあまり言わないからです。こんな翻訳は機械にできるものではありません。

このように、人間しか持っていないクリエイティビティーによって翻訳することが求められるでしょう。

映画の字幕も人間にしかできない翻訳の作業だといえます。映画の字幕はただ訳せばいいというわけではなく、ぱっとみて読み取れる程度の分量にしたり、それぞれの国の文化を前提に翻訳する必要があるそうです。

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物語の他に、学術的な専門書の翻訳も機械には難しいため、新しい学術的な言葉翻訳したり、場合によってはその国の人が理解できるように文章を組み替えたりする「編集」の作業も求められるようになるかもしれません。

このように機械翻訳の精度が向上すると、翻訳家は人間にしかできないクリエイティブな翻訳を求められるようになるのです。

また、正しく翻訳するだけなら機械でもできるのだから、”自分らしさ“が求められるともいえます。正しく翻訳するというだけでなく、「その人らしい翻訳」に感心が集まるということです。

夏目漱石が「i love you」を「月が綺麗ですね」と訳したという話は有名でしょう。これが実話かどうか別として、これから求められるのはまさにそのような創造的な翻訳なのかもしれません。

 
最初に紹介した堀江さんの記事も最後にこう書かれています。

機械に取って代わられる職業は多いが、いずれは翻訳家もその1つになるのかもしれない。その時に重要なのは、自分にしかできないことがあるかどうか。
誰でもできることはきっと、将来的には機械にもできるようになる。機械の性能が向上しても稼げる人というのは、人間、機械に関わらず他の人にはない強さを持っている人なのではないだろうか?

パターンのすごさ

最後に「どんな人物でも当ててくれる」というアキネイターというものを紹介します。

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質問に答えていくと、どんな人だろうと当ててしまうというものです。これもパターンの積み重ねによって実現しています。

情報技術とパターンの蓄積がどれほど凄まじいものなのか実感できる一例だといえるでしょう。なんせあなたの彼女まで当ててしまいます。

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